マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント┃戸田 久実【著】まとめ・感想

ビジネス・自己啓発

「怒り」を表すことは悪いことではないけれど、しっかり自分で自分をマネジメントできないと後悔します。

ただ、頭で理解していても「怒りをマネジメントする」って具体的にどうすればいいのか知識がなければ行動できませんよね。

「結局感情のままに怒ってしまった…」と自己嫌悪に陥って人間関係が修復不可能にならないためにはどうすればいいのか?そもそも「怒り」とはどんな感情なのか?

マンガと解説で分かりやすく楽しく読めました。


マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント

 

こんな人におすすめ

・「怒り」の感情を上手くコントロールして良い人間関係を作っていきたい人
・職場や家庭内でつい怒りを抑えられず、自己嫌悪に陥ってしまう人
・怒りの感情が生まれる仕組みを理解し、日々のコミュニケーションに生かしたい人
・怒りの感情に振り回されずに生活していきたい人

マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント まとめ・感想

どちらかと言うと私は、自分の感情を他人に上手く伝えることが苦手でした。
悲しさや寂しさ、不安、不満などのネガティブな気持ちになったとき、相手に気持ちを伝えようとするといつの間にか「怒り」になってしまう。

「ありのままの感情を伝えることは、信頼関係を作っていくためには大切だ」とも思っていて、思っていることをはっきり言わず我慢することは「自分の意見がないダサい人」と思っていました。また、そんなだと他人からナメられると勘違いしていました。

だから数年前、職場でこんなことが起こってしまったんです。

私は、人事総務系の部署で企画推進の仕事を担当しています。それなりに人数がいる組織ですが、「企画チーム」というような体制はなく、実質担当は私一人で動いていました。

現状の課題を把握して企画を考え、推進していくためには必要に応じて関係者とのコミュニケーションも必要です。ただ、担当業務以外の他人を巻き込むことは少なからずお手数や迷惑をかけると思い、少し遠慮してしまうところがありました。

ある日、上司にこのことを相談したところ、「今後はAさん(主任)も加わってもらって、どう推進していくか“考える”ことを一緒にやってみよう」と少しだけ体制を変えてくれました。

しかし、それ以降の企画会議で、私はAさんに毎回イライラしてしまいます。

なぜかというと、Aさんは私が提案する企画について、「いや、これはちょっと壮大じゃない?」とか「言ってることはわかるけど現実的に簡単じゃないよね~」等と、後ろ向きの発言しかしなかったのです。

企画というのは、「現状ある課題を解決するために新しい価値をつくる」ことだと考えているので、出来ない後ろ向きな理由を並べるよりも“壁は確かにあるけれどどうすればいいか”を一緒に考え、ただの思いつきでもいいからアイデアを言ってもらいたかったんです。

もっと言えば、Aさんは役職者という立場でもあったわけだから、同じチームに加わった以上はリーダーとして引っ張っていくような行動をしてほしいと期待してしまったのです。

Aさんとは、個人的に仕事終わりに食事に行ったりそれなりには仲良くさせてもらっていましたが、仕事になると価値観が合わないと思うことはずっと前から感じていました。だから正直、上司からAさんが加わると聞いたときは一抹の不安を覚えたのはあります。

会社が新しいことを始めようとすると、前向きな意見よりネガティブなことばかり言う。人がやろうとしていることに色々難癖つけるわりに、何か具体的なアイデアを出すわけではない。

言うだけ言って、足を引っ張る人という印象が私の中でどんどん大きくなっていきました。

また、Aさんは会議中に他のメールや仕事の対応をしているところもあり、この会議に真剣に参加していないのでは、という姿勢も感じました。

それでもAさんは「私も考えて意見を言ってる」と主張してきたため、ついに私は会議中に怒ってしまったのです。

「考えてるって言っても、ただ人の企画にいろいろ意見言ってるだけじゃないですか!!!できない理由を考えて言うんじゃなくて、どうすればできるかを考えて具体的に提案してくださいよ!!!」と。

さらにAさんは、上司が会議室から出ていった後のタイミングで「私の方が役職者(主任)なのに、まるで私の方が部下みたいね」と言ってきたのです。

そのことで私はAさんを信頼できなくなり、顔を見るだけで、声を聞くだけでイライラするようになってしまいました。

直接上司に事の顛末を話したわけではありませんが、以降Aさんを会議に呼ぶことはありませんでした。

 

怒りの感情をままに相手に伝えたところで、信頼関係なんて築けません。むしろ関係は崩壊します。
しかしなぜ、私はAさんに「怒り」を表し止めることができなかったのでしょうか。

「怒る」ことは人間であれば当然抱く感情のひとつだし、それを抱くこと自体は悪いことではないと本書にも書かれています。

むしろ、本当に必要な時には適切な怒り方ができて、怒らなくてもいいことには怒らなくて済む自分を目指すことが大切なのだと。

また、そもそも「怒り」は感情そのものではなく、他の感情を表現するための“手段”にすぎないという、新しい見方を学ぶことができました。

上のエピソードの中で言えば、私はAさんに対して「もっと一緒に考えてほしい」「リーダーとして引っ張ってほしい」「前向きに取り組んでほしい」等と望んでいました。

未来に向かって前進していくために、一緒に同じ思いを共有しながら前向きな意見を共有し合いたかった。でも、その期待が外れて、不満やもどかしさが倍増してしまったのです。

その気持ちを「怒り」という表現でしか伝えられなかったのです。

でも、そんな怒りもしっかり「マネジメント」できるようになれば、Aさんとの関係を悪くすることなく仕事できたのではないかと思います。

感情を「抑える」「我慢する」と考えると、自分で自分の気持ちに蓋をするみたいで、それでは上で書いたエピソードのようにいずれ爆発してしまいます。

アンガーマネジメントは、他人に合わせて自分の“感情”をコントロールすることではなく、自分自身の考え方を見直し、感情をまず把握することが必要なのだと学びました。

それらを俯瞰して見ることで自分の「怒りの癖」を発見し、どんな場面でも適切な怒り方ができるように自分で自分をマネジメントできるようになる。

本書を読んだからといってすぐに身に着けられるものではないと思うけれど、少なくとも「怒り」を感じたとき、以前に比べたら

「あれ、なぜ自分はいま怒っているのだろう?」と自分を客観的に考える“間”を持てるようになったことは確かです。

今後必要に応じて読み返したりしながら、アンガーマネジメントをしっかり身に着けて同じ失敗はしないようにしたいと思いました。

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